初心者向けと見せかけて、中級者以上向け

藤原宰太郎・藤原遊子『改訂新版 真夜中のミステリー読本』(論創社、2019年)★★

ミステリー初心者向けの入門書あるいはブックガイドに見えて、実はミステリーファン向けの本。ネタバレ多数。個人的には乱歩の「火縄銃」とポーストの「ズームドルフ事件」の関係を検証している箇所(13〜14ページ)が良かった(乱歩研究でもあまり触れられていない気がする)。未知の作品へのガイドブックとしては福永武彦ほか『深夜の散歩』(東京創元社、2019年、初出は1964年)や瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』(東京創元社、1999年、初出は1987年)などもおすすめ。

改訂新版 真夜中のミステリー読本

改訂新版 真夜中のミステリー読本