古書の海へようこそ
喜国雅彦『本棚探偵 最後の挨拶』(双葉社、2017年)★★★
第68回日本推理作家協会賞〈評論その他部門〉受賞作で、本棚探偵シリーズ4作目。
楽しい古本蒐集エッセイだが、連載中に東日本大震災が起こり、大震災と本との関わりも考察されている。
この本の中の白眉は、日下三蔵氏についての3章。同じ本を何冊も買い続ける日下氏にその理由を問うと「売っていたからです」という衝撃的なセリフ。彼の家の本の整理の様子が写真入りで描かれてるが、これが「真の」本好きか…とため息がでる。
台湾で日本ミステリを広めた島崎博氏の章も良かった(「新古書店とニーソックス」)。
全体的にゆるく読めるので、仕事の息抜きにちょっと1章だけ読む、という読み方が出来て嬉しい。