傑作!傑作!

今村昌弘『兇人邸の殺人』(東京創元社、2021年)★★★★★

斑目機関の研究に興味を示す会社の社長成島と秘書についていく比留子と葉村。傭兵とともにテーマパーク内にある建物に侵入するが、そこには片腕の怪物が待っていた。どうやら斑目機関の研究と関係しているらしい。

中から出られなくなった建物の中で暴れ狂う怪物から逃れる一行。しかし、怪物がやったとは思えない成島の殺害により、互いに不信感を抱く。外部に出る作戦を練るが、そこでまた殺人が・・・。

比留子と葉村モノ、第3弾。前2作も面白かったが、今回も抜群の緊張感とテクニカルな推理。本作はなんと、中盤で成島の殺人犯が比留子によってあっさり読者に明かされる。しかも別に殺人者がいる、こちらが本筋。

班目機関の全容が明らかになるのはまだまだ先なのか。