血は、こえられる。

伊坂幸太郎『重力ピエロ』(新潮社、2006年)★★★★

私こと仙水(いずみ)と弟の春がメインキャラクター。春は、母親がレイプによって産まれた。二人は市内の連続放火を負うが、それと落書きに一定の関係があることに気づく。

サスペンス・推理要素より、兄弟、ひいては家族の結びつきに重点が置かれている。途中で犯人がわかってしまったとしても、家族の物語として、最後まで読ませる。